イー・モバイル7.2M契約のSIMでも端末が21M対応であれば少し速い?
タイトルが長すぎて途中で切れちゃうので今回も短くするのに苦労した。
要するに「イーモバイルで、7.2Mbps契約のSIMカードをEMOBILE G4(21Mbps/42Mbps)対応の機種に挿し込むと、7.2Mbpsの機種で使うよりも速いらしいという噂が本当かどうか検証した」。
事の発端はGoogle検索中にたまたま引っかかった2ちゃんねるのスレッド。
怒られちゃうかもしれないけど引用する。
イー・モバイル EMOBILE 質問スレ Part21 の >>3 より引用
http://logsoku.com/thread/toki.2ch.net/phs/1304931771/
HSPA+(21Mbps)端末にするかHSDPA(7.2Mbps)端末にするか悩んだ場合
HSPA+(21Mbps)端末を購入の上、7.2Mbps契約にするのがbetterr choiceかも
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基地局のアンテナから端末までをダウンリンクを道路にたとえると
基本的に車線は15車線( <-コード数)があって、契約やら端末の種類やらで使える車線数が
限られている。この上に、各車線の最高速度( <-変調速度:QPSK or 16QAM or 64QAM ->※1)がやはり端末の種類や基地局で
で決定される。
3.6Mbps端末 -> 最大5車線 制限速度50km/h <-HSDPA
7.2Mbps端末 -> 最大10車線 制限速度50km/h <-HSDPA
21Mbps 端末 -> 最大15車線 制限速度100km/h <-HSPA+
このうち、車線数は契約と端末で決定されるが、制限速度については端末種類だけで決定され、契約は関係がない
とすると、たとえば、
契約を7.2MHzにしておくと最大10車線の制限を受ける。
端末をHSPA+(21Mbps )端末とすると制限速度100km/hになる。
これをダウンリンク速度であらわすと 14.4Mbpsになる。契約は7.2Mbpsなので当然料金はそのまま。
すなわち、HSPA+(21Mbps )端末で7.2Mbps契約では、ダウンリンク速度は最大で14.4Mbpsになる。
※1 変調速度->基地局から近いほど信号(もっと正確にはSNR)が大きいので変調速度を上げることができる。現状では
64QAMが最大。基地局から離れるにつれ信号が小さくなるので、変調速度は16QAM, QPSKと順に変化していき、速度も
下がっていく。(逆に、通信速度を落とすことで通信を安定させていると見たほうがいい)
よくわからん
多分、この間UQ WiMAXで新通信方式に対応すると上り速度が向上するとかいってたのと同じような話で
7.2Mbpsのデータカードで7.2Mbps契約のSIMカードでは、7.2Mbpsでスピードリミットがかかっているので7.2Mbps以上は出ないのは当然のことながら、データカード自体の性能も大したことないので実効で2Mbpsぐらいしか出ない
のに対して、
21Mbpsのデータカードで7.2Mbps契約のSIMカードでは、7.2Mbpsでスピードリミットがかかっているので7.2Mbps以上は出ないのは当然だが、7.2Mbpsのデータカードよりもいい性能を持っているので、同じ契約なのに、7.2Mbpsのデータカードで使っているよりかは良い速度が叩き出せる。
という話なのではないかという推測。たぶん。
実験のために機材を用意した
- D22HW USBデータカード (下り7.2Mbps、上り5.8Mbps対応)
- GP01 Pocket Wi-Fi (下り21Mbps、上り5.8Mbps対応)
- MacBook Air 2011年モデル
最後は自慢かと思われそうだ。でもこういう実験にはWindows端末を用意しておいたほうがいい気がした。
USBドライバがMac OS X用だけクソとかよく聞く話だし・・・
速度測定のために使用したサイト
これもまた、同じ固定の光回線であってもサイトによって出る数字がまちまちで、どれを信用していいのかわからないので
複数のサイトで測定することにした。
- BNRスピードテスト (http://www.musen-lan.com/speed/)
- 速度測定システム Radish Networkspeed Testing (http://netspeed.studio-radish.com/)
- RBBTODAY スピードテスト (http://speed.rbbtoday.com/)
- Speedtest.net - The Global Broadband Speed Test (http://www.speedtest.net/)
最近ではSpeedtest.netがよく使われているようだ。
iPhoneアプリもあるし、測定結果の画像を共有しやすいというのもあるし、測定中のメーターのアニメーションがカッコよくて、一番的確な結果が出るような気がするのがSpeedtest.net。でも、TOKYOサーバーがそもそも表示されなくなったり、測定サーバー側が調子悪いことも多々あって信用にならない場合もある。
逆に低すぎる意味でも、高すぎる意味でもウソだろと思うような結果がよく出るのはRBBTODAYのような気がする。
BNRやRadishも今でも使っている人も多いと思うので入れておいた。
実験した時間帯
平日(木曜日)の午後9時すぎ。
ということは、イー・モバイルの通信速度規制時間帯に当てはまるが
その日1回もデータ通信をしていないカードなので、300万パケットも使っているわけがない。つまり規制は受けていない。
でも規制するのは混んでいる時間帯だからというイー・モバイルの言い分を信じるとすれば
あんまり実験には適していない時間帯だったといえる。
実験した場所
イー・モバイルのアンテナから400mほど離れた筆者の自宅の窓際(さむい)
イー・モバイルのサービスエリア情報で確認したところ、EMOBILE G4エリアとなっているが21Mbps対応か42Mbps対応かはよくわからない
閑静な住宅街で、イー・モバイルをバリバリ使うようなビジネスマンはいない気もするが
まずは7.2Mbps契約のSIMを7.2Mbpsのデータカード(D22HW)で使ってみる
普通にHSDPA端末で7.2Mbps出るかどうかという実験。
ちなみに面倒なので各サイトにつき1度しかテストしていないので、たまたま低かったとか、たまたま高かったのはそのまま反映。
- BNR 下り1.14Mbps/上り1.06Mbps
- Radish 下り5.217Mbps/上り1.306Mbps
- RBBTODAY 下り4.4Mbps/上り1.1Mbps
- SPEEDTEST.NET 下り2.59Mbps/上り1.03Mbps
測定サイト名 | 下り | 上り |
---|---|---|
BNR | 1.14Mbps | 1.06Mbps |
Radish | 5.217Mbps | 1.306Mbps |
RBBTODAY | 4.4Mbps | 1.1Mbps |
SPEEDTEST.NET | 2.59Mbps | 1.03Mbps |
Speedtest.netが一番まともに見えてくる
ただ、Radishのときに転送速度が他よりよかったのは事実・・・か?
本番:7.2Mbps契約のSIMをEMOBILLE G4 下り21Mbps対応端末(GP01)で使ってみる
というわけでPocket Wi-Fi GP01を無線LAN接続で使ってみた。
D22HWがUSB接続で行ったことを考えれば、条件が異なるような気がするのだが
後述するがUSB接続のほうが速度が遅かったのでWi-Fi接続でのテスト結果を採用した。
- BNR(下り3.46Mbps/上り測定忘れた)
- Radish(下り4.744Mbps/1.051Mbps)
- RBBTODAY(下り4.76Mbps/上り1.28Mbps)
- SPEEDTEST.NET(下り3.92Mbps/上り1.24Mbps)
測定サイト名 | 下り | 上り |
---|---|---|
BNR | 3.46Mbps | データなし |
Radish | 4.744Mbps | 1.051Mbps |
RBBTODAY | 4.76Mbps | 1.28Mbps |
SPEEDTEST.NET | 3.92Mbps | 1.24Mbps |
結果はといえば、Radishでの測定結果で7.2Mbpsデータカードより悪い結果がでましたが
その他は7.2Mbpsデータカードでの数値を上回る速度を叩き出しました。
でも微妙。
ここまでのまとめ
※21Mbps端末はすべて7.2MbpsのSIMで測定
測定サイト名 | 21Mbps端末での下り | 7.2Mbps端末での下り | 21Mbps端末での上り | 7.2Mbps端末での上り | |
---|---|---|---|---|---|
BNR | 3.46Mbps | 1.14Mbps | データなし | 1.06Mbps | |
Radish | 4.744Mbps | 5.217Mbps | 1.051Mbps | 1.306Mbps | |
RBBTODAY | 4.76Mbps | 4.4Mbps | 1.28Mbps | 1.1Mbps | |
SPEEDTEST.NET | 3.92Mbps | 2.59Mbps | 1.24Mbps | 1.03Mbps |
やっぱり微妙。
逆
7.2Mbps端末に21Mbps対応SIM(EMOBILE G4)契約のを入れたらどうなのか
BNR | 2.48Mbps | 1.13Mbps |
Radish | 4.077Mbps | 1.223Mbps |
RBBTODAY | 720kbps | 948kbps |
SPEEDTEST.NET | 4.03Mbps | 1.27Mbps |
これはあんまり意味なかった。
というか、各サイト一度しか測定していないこともあって「たまたまそうなった」と言えるかもしれないが
RBBTODAYでの結果がぶっちぎりで低スコア新記録となってしまい、GP01がD22HWより性能低いのではないかと思わせる結果となった。
番外編:平日の昼間やった
ちなみに
金曜日の午前中、違う場所(オフィス街)でWindows XPノートPCの構成でやったときはこんな感じ
測定サイト名 | 21Mbps端末での下り | 7.2Mbps端末での下り | 21Mbps端末での上り | 7.2Mbps端末での上り | |
---|---|---|---|---|---|
BNR | 4.89Mbps | 3.69Mbps | 1.29Mbps | 1.26Mbps | |
Radish | 5.014Mbps | 4.201Mbps | 1.310Mbps | 1.307Mbps | |
RBBTODAY | 6.17Mbps | 3.93Mbps | 1.29Mbps | 963Kbps | |
SPEEDTEST.NET | 4.52Mbps | 4.80Mbps | 1.27Mbps | 1.26Mbps |
やっぱり微妙だ・・・
結論
両者の測定条件が一致していない(USBとWi-Fiとか)せいもあるかもしれないが、微妙である。
もしアップしたとしてもかなり条件がよくて7.2Mbps端末比で2Mbpsぐらいしか上がらないと思っておいていいと思う
多くの人が、2Mbpsのために白ロムのEMOBILE G4端末を買ってまで・・・とはならない はず
ちょっとよくわからないので
機会があればもう一度チャレンジしてみたいとおもっている。