RAZIEを2011年9月以降も使えるようにするツール”BAZIE”公開

RAZIEを2011年9月以降も使えるようにするツール"BAZIE"
ダウンロードはここから↓
http://nowheadline.brave-hero.net/BAZIE/

■使い方
1.ZIPファイルを解凍する
2.BAZIEアイコンをダブルクリック
3.クマーが出てくるのでキーボードのキーを何か押す
4.RAZIEが生き返った!みたいなメッセージが表示される
5.RAZIEを起動して動くかどうか確認する


動いた?やったね!


はい、とりあえずそこまで書いたのであとは余談。


2011年9月1日から、livedoorねとらじ は ネットラジオサイトねとらじ になった。
正確には8月31日のメンテ後、かもしれないがこの際どうでもいい。


どういうことかといえば、livedoorの手の内を離れたということなんだけど
それによって、ねとらじがlivedoorの管轄下にあった時代のアドレスが使えなくなった


それがどうした、新しいアドレスをお気に入りに入れなおせばいいジャンってなるわけだけど
Windows向けのねとらじヘッドライン取得ツールとして
もうかれこれ結構な歴史のあるRAZIEというツールが使えなくなった。


なんでかっていえば、RAZIEはyp.ladio.livedoor.jpというサーバ接続して番組表を取得する仕組みなので
livedoorのアドレスが使えなくなったことにより、繋げなくなったつーわけ。


本来なら、RAZIEを作った人がこのアドレス部分を直して、バージョンアップしました
ねとらじに対応しましたって言えば済む話なんだけど、あいにくRAZIEは
作者が開発終了を宣言したツールだ。
つまり作者側で対応してくれない。


こういう場合は大抵、Windowsならなおさら、ツールの作り手というのが腐るほどいて
同じようなことができるソフトというのが他にあって「こいつがダメになったならあっちだ」と言わんばかりに
他ツールへの移行が進むものなのだけど


残念ながら他の同等のことができるツールというのが存在しないようだ。
昔はGetHeadlineや判太らいなんっていうツールがあったのだけど、開発のモチベーション低下とか
色々事情はあったのだろうが、作者のページは消えてしまっている。


ねとらじ公式のヘッドライン取得ツール"Dolphin"というのものあるのだけど
こちらは録音機能が消されてしまっていて、同等の機能を有するとは言えないような状態。
ねとらじの録音が出来る環境というのがホントにない状態。
今やRAZIEの代替となるツールは存在しないというわけだ。たぶんね。


少なくとも、DJさんが放送する時間に家にいないとかでいつも聞けなくて後で録音でねとらじ
聞きたい層からしたら、録音できないっつーのは、とんでもない痛手になるわけです。


完全なる代替とはならないものの、タイムシフト機能があるニコニコ生放送や、ツイキャスにユーザーが流れるかもしれません。


そういうわけで、RAZIEを再び使えるようにして、録音もできるようになるツールが、上にあるツールです。
使うと、RAZIEで録音するという選択肢が復活します。


さて、上でねとらじ公式の"Dolphin"から録音機能が消えたと書きました。
つまりはもともと付いていた録音機能をカットしたということです。


なぜ消えたかといえば、録音というのはサーバに負荷がかかるため、だそうです。
録音とわかりやすい言葉で書いていますが、やっていることはダウンロードです。


ねとらじを聞くときっていうのは、iTunesとかの視聴ソフトが
ねとらじのサーバーにアクセスして、音声データを配信してもらっています。


iTunesはダウンロードはしていないので、ねとらじから流れてきたデータをスピーカーから流してそのままどんどん捨てていく形をとっています。
ストリーミングってやつです。


RAZIEとかは、ねとらじから流れてきたデータをハードディスク上に音声ファイルとして記録していきます。
ダウンロードってやつです。


たったこれだけの違い。
視聴者側のPCでどういう動作をするかの違いで、ねとらじ側では録音に関して何か特別な処理をしているわけではありません。たぶん。


ねとらじの番組表を見ると、リスナー数という数字が出ていることに気がつくでしょう。


要するに、その放送を聞いている人数です。
リスナ数が多いということはたくさんの人が聞いているということで、人気番組です。
たくさんの人が聞いているということは、面白い番組の指標では、と考える人も多いです。


しかし、このリスナ数という数字は単純に、そのとき聞いている人の数を集計したものではありません。
上記で示したようにサーバ側からしてみると聞くのと録音するのは区別がつきませんので
録音しているケースも、その番組を聞いている人数(リスナ数)として計算されます。


(厳密にいえば、User-Agentという接続ソフトの識別子を送信しているはず?ですので区別して
 iTunesWinAmpはカウントしてRAZIEをリスナー数からはずそうと思えば不可能ではないはずですが
 icecastという既存のフリーで提供されているストリーミングサーバを使って運営しているので
 そういった独自仕様を盛り込むのは難しいかもしれません。)



後になってその録音したものを聞けば結果論として、ライブではないにしろ聞いている人数として
カウントしてもぜんぜん問題ないわけですが
ねとらじを聞いている人のうちどれぐらいの割合でいるのかわかりませんが
「聞きながら録音もする」という人口が少なからず存在します。私もそのくちです。


テレビで放送されている映画番組(たとえば日曜洋画劇場とか土曜プレミアムとか!)を見ながら
DVDレコーダーでもその映画番組を録画しておくようなイメージです。


なぜそんなことをするのかといえば、放送中にちょっと来客があって席をはずして
大事なところを聞きそびれてしまったときに、後で聴くためだったり
すごく面白い放送で後でもう一回聞きたかったと後悔するような事態を回避するためだったり
単純にお気に入りのDJさんの放送をアーカイブしたいだけだったりするのだけど


そういうことをすると、上で書いた視聴ソフトでの接続と、録音ソフトでの接続で2接続になります。
リスナー数も2カウントされます。
音声データ通信も普通に聴くだけの状態に比べて2倍になります。
ある番組を全員が録音しながら聞いているとしたら、実際に聞いている人数はリスナ数を2で割った数ということになります。


さらに、録音もリスナー数にカウントされることを悪用して
リスナー数の多い人気番組を気取るためにDJが自分自身で録音ソフトを特殊な起動方法で起動させて
20とか30とか水増しするようなケースもある らしいです。



・・・というのが「ねとらじに負荷がかかる」の根拠です。
みんなが普通にねとらじを聞いているだけならば、ねとらじへの負荷はぐっとさがるはずです。
仮に全員が録音しながら聞いていたとしたら、負荷は半分になります。ありえないことですが。


一時期、ねとらじの創設者ダイフクさんが個人で運営していたときは
ダイフクさんが自宅に誰でも持ってるような普通のインターネット回線を引いて
普通のサーバで運営しているような状態だった らしいので


サーバや回線もかなり逼迫しているような状態だったらしく
ポートが落ちるなどの障害も頻発していた らしいです。


ということもあって、録音はねとらじに負担をかける行為だからやめろ派と
利便性追求派が言い争いをしていた時期もあった らしいです。


結局のところ、livedoorが運営するようになってからは、そこそこヘビーな使い方をしても
大丈夫な回線をもつデータセンターにサーバが入り、さらに
運営が公式でリリースしたヘッドライン取得ツールに録音機能があり、サーバも2台に増設され余裕ができ
結果として利便性追求派の勝利ということになった感じなのですが


ここにきて、サーバの負荷を理由に公式のヘッドライン取得ツールから録音機能が削除され
挙句の果てには「録音がないなら負荷もそれなりに下がるはず、だからサーバは1台に減らす」という事態になり、
再び似たような争いが繰り広げられるようになるのは
おそらく時間の問題でしょう。たぶん。もう始まってるかも。
ねとらじ公式ブログの、Dolphinから録音機能が消えるという公式発表の記事のコメント欄で既にそれっぽいコメントのやり取りがされています。



さて、ねとらじ公式のヘッドライン取得ツール"Dolphin"から録音機能が削除された状態で
他にねとらじ録音の選択肢として存在したのは紛れもない"RAZIE"のみでした。


そのRAZIEも、livedoorから切り離された副産物として番組表の取得ができなくなり
結果的に録音できる手段が完全に失われたことになります。


Wikipediaねとらじヘッドライン取得ツールの項目では、こういったツールが登場する前は
IrVine等の普通のファイルダウンロードツールを使って録音行為をしていたという記述が見受けられますが
あくまでそういった手法は中級者以上向けで、録音ボタンをクリックするだけの操作でないと
録音もままならないというユーザーが大多数だと思います。


そういう意味では、録音できる手段が完全に失われている状態というのは
「録音はねとらじに負担をかける行為だからやめろ派」や、運営側にとってみては
とても好都合なことかもしれません。



そんな中、RAZIEを再び使用できるようにする延命ツールをここで公表するということは
利便性追求派の方々には喜ばれることでしょう。


今後、新しいWindows OSで動作しなかったり、ねとらじ側で何らかのプロトコル変更が行われたりといった
変化が起こらない限りは、ずっとねとらじが録音できます。


でも、私は録音はねとらじに負担をかける行為だからやめろ派に非難されることになるでしょう。
あるいは、ねとらじの運営に余計なことしやがってと思われるかもしれません。
RAZIEの作者こたろう氏にも、RAZIEの公開を終了していることからあまり普及を望んでいないと仮定して
この延命処置に余計なことしやがってと思われる結果になるかもしれません。


こんなものを公開して、
それこそリスナ数を水増しするために行われる多重録音を助長することになったり
ねとらじで行われる著作権侵害放送を録音されることで損害評価額みたいなのが
大幅に増える結果になって
著作権侵害幇助みたいな罪に問われるかもしれません。


しかし私は、ねとらじってのは、録音で聞いているユーザーによって支えられている面が大きい、と判断します。
このツールによって生き返ったRAZIEが健全なことに使われるといいなと思います。
そんな偽善ぶったことが実現するとは到底思えませんが。