ケータイのアンテナ(基地局)を探そう イー・モバイル編

携帯電話の基地局を探そうシリーズということで、携帯電話のアンテナってだいたいどういうもの?という観点で基礎編を書きましたが、
もうちょっと掘り下げて携帯電話キャリア各社の基地局の特徴なんかを写真を交えて紹介しようとかいう企画。
そういうわけなので、基礎編見てないよって方はまずは基礎編からご覧ください

 ■注意事項

  • このページにある文章・画像を他で勝手に使うなとは言いません。どうぞご自由にお使いください。でも携帯電話会社の権利を侵害とかしてるのかも。
  • 得意げにここに書いてあることを皆に言いふらしていたら、実は間違った情報でひどい目に遭っちゃう可能性もあることにご注意ください。私も素人ですので。
  • 画像が多すぎて超重いですがご容赦ください。逆に画像クリック後「オリジナルサイズを表示」をクリックするとでかく表示されます。
  • ここに掲載されている情報などについて、携帯電話会社などに問い合わせすることはご遠慮ください
  • ここに掲載されている情報を元にアンテナを特定してぶっこわしてやろうとかはくれぐれもおやめください
  • 2012年現在で存在する携帯電話会社・サービスについて記載しています。今となってはもう古いかもしれませんよ。LTEとか。逆にツーカーセルラーの情報は載っていません。
  • 主に筆者が住んでいる愛知県内の傾向をもとに書いていますので、他のエリアではぜんぜん特徴が違うとかありえます。ご注意ください。歴史的経緯で元DDIセルラーデジタルツーカーのエリアで建設された基地局には一切当てはまらない可能性があります。
  • ほかに「このキャリアにはこんな特徴があって」などの話があればコメント欄に投稿していただけるとうれしいです!気付かなかったらゴメンナサイ。ただしお寄せいただいた画像も「勝手に使っていいよ」宣言を勝手にします。

モバイルブロードバンドだけじゃない、「もしもし」もできるイー・モバイル

携帯電話会社といえばドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクと大手3社が思い浮かび、忘れ去られがちなイー・モバイル
MVNOを除けば、"携帯電話"の枠*1で通話ができるのはイー・アクセスイー・モバイル)を入れて4社である。


などと書いていたらこんなニュースが飛び込んできて、ソフトバンクに吸収されたっぽいけど。

ソフトバンクイー・アクセスを買収
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20121001_563329.html

▼携帯電話事業者としては最後発のイー・モバイル

西暦200X年、ソフトバンクが携帯電話に「新規参入」してくる際に世論を巻き込んですったもんだが
あったように記憶しているが(これはソフトバンク編で詳しく話した)
結果的になんとか新規参入の認可が降りて、
BBモバイル」(ソフトバンクのこと)、「イー・モバイル」、「アイピーモバイル」に免許が下りることになった。


これでソフトバンクが晴れて新規参入できることになったが、結局ボーダフォンの買収に走ったので
基地局ボーダフォンから受け継ぎ、免許は返上したので新規参入は果たしていない。
アイピーモバイルはサービスイン前にぶっ潰れ、きちんと新規参入してまったくイチから基地局を整備して
サービスインにこぎつけたのは、イー・モバイルだけ。


まったくイチからの整備とあって相当苦しい戦いを強いられたと思うが、今では全国人口カバー率93%を誇っている。
人口カバー率という数字自体がちょっと首を傾げる計算方法だったりするが、それは別の話。


当初は「イー・モバイル社」の「イー・モバイル」だったが、途中でイー・モバイル
ADSL事業を展開していた親会社のイー・アクセスに吸収合併され、今はサービスブランドとしての「イー・モバイル」しか残っていない。
つまるところKDDI社のauと同じく、イー・アクセス社のイー・モバイルである。


参考:
イー・モバイル株式会社」が消滅へ、イー・アクセスによる吸収合併でブランドは存続
http://gigazine.net/news/20110224_emobile_eaccess/


そしてこの記事を書いている今日、ソフトバンクに買収されたらしいので「イー・アクセス」は完全消滅となるもよう。
ただソフトバンクのことなので、「イー・モバイル」自体がなくなるのも時間の問題ではないかと思う。

▼特徴1:ステッカー

他社と同じく、イー・モバイルにも基地局設備にはられているステッカーがある。
確認できるかぎり、まだこの一種類しかない。

ステッカー


なお、このステッカーがない場合も、社名ラベルははられている傾向がある。
上で述べたように「イー・モバイル株式会社」は「イー・アクセス株式会社」となったので
最近増設された基地局では後者のステッカーとなっている。

イー・モバイル株式会社 イー・アクセス株式会社

▼特徴2:電気メーター

以下で述べる「ビル・マンションの屋上に設置されている基地局」も「鉄塔タイプ基地局」も
さらには「コン柱タイプ基地局」にも言えるイー・モバイルの特徴とも呼べる部分が
電気メーターである。


結構共通化されているみたいで、上記ステッカー表示か社名表示は必ずされているうえに
型番表示だけでもイー・モバイルのものと断定できる材料が揃うことがある。


現在確認できているだけで以下のような種類がある。

EM-1-SPD-2型(グリーンバージョン) EM-1-SPD-2型(ホワイトバージョン)
EM-1-SPD-2型と思われるが会社名のみ記載 EL-2-SPD-2型


いまのところ、「EM-1-SPD-2型」「EL-2-SPD-2型」の2種類が確認されている。SPD-1もあったような気がするんだけど気のせいかも。
ちなみに、左下の写真のように「EM-1-SPD-2型」とおもわれるが左上の「イー・モバイル株式会社」の表示のみされているケースを
過去に1例だけ確認したことがある。


型番にある「SPD」というのは、auの「SPD引込開閉盤」と同じくSurge Protective Device(雷サージ防護装置)を実装しているということなんだと思う。



このイー・モバイルの電気メーターは建物の玄関先とも呼べる部分に配置されていることが多い。気がする。
まあ他もそうなんだけど、イー・モバイルは特にその傾向が顕著なような・・・気のせいかな?

道路沿いに見えるイー・モバイルの電気メーター 集合住宅の入口に設置されている例

▼特徴3:最新鋭の技術を投入した小型設備(ビル・マンションの屋上編)

イー・モバイル基地局設備はとんでもなく小さい。
アンテナはそうでもないが、地上に置く設備のことだ。


携帯電話の基地局というと、プレハブハウスや、小さめの物置のような
サイズを想像するが、イー・モバイルは小型冷蔵庫ひとつ、ランドセル×数個という
ものすごく小さいサイズの基地局だ。

建物の屋上タイプ 遠くから 近寄って撮影
メイン設備拡大 設備が狭いスペースに設置された例


上記の小型冷蔵庫のような設備の中身は、最近LTE用設備という名目でメディア向けに公開されたらしい。
中身のネットワーク機器などが若干違うだけで、外の箱自体は同じ物に見える。
上段にネットワークスイッチなどの機器、中段に光ファイバ終端装置(ONU)のような機器、下段にUPSバッテリーのようなものが見える。
多分アンテナのすぐ下に設置されるHuaweiの機械とか、上段のネットワーク設備が若干違うだけで
ほとんど既存の3G設備と同じ物になるんじゃないかと思うが・・・


LTE基地局、ステッカードルーム、車載型基地局――イー・アクセスが東京エンジニアリングセンターを公開 - ITmedia Mobile
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1208/08/news033.html

▼鉄塔タイプ

イー・モバイルの鉄塔タイプの基地局はとてもレア、に見える。
理由はよくわからないが、基地局設備が小型化されているので上に示したように狭い場所しか確保できなくても
すべての設備を載せることができるからだろうか?
建物がそのへんに建っているような場所では塔を建てるのを見たことがない。
山間部や沿岸部に行くと結構見ることができる。


また、イー・モバイルは律儀にすべての基地局基地局名の表示をしているようなので
鉄塔タイプの場合は、根本に近づくことができれば、ほぼ間違いなくイー・モバイルのものと断定できる材料を
得ることができるだろう。
ちなみに、基地局のIDのようなものが割り振られているが、愛知県内では50XXXXのものしか見たことがない。

基地局名の表示 全景


鉄塔タイプも、ビル・マンションの屋上に設置するタイプもおそらく同じ設備を使用していると思われるが
鉄塔タイプの場合は、ビル・マンションの屋上に設置するアンテナの近くに置いてしまうがゆえに
普段見ることができないすべての設備を見ることができる。
例えば以下に示すHuawei製の設備なんかは、おそらくアンテナ制御の部分を司る重要アイテムのように見える。


例の冷蔵庫型設備は、形こそ若干違うが似たようなものが置いてある。

冷蔵庫型設備に似た箱も確認できる Huawei製のランドセルみたいな装置


そして特筆すべき点として、イー・モバイル登場前まではauの特徴とまで言われていた
GPSアンテナ(GPSキノコ)がついている。

イー・モバイルGPSアンテナ デジカメで撮ったランドセル&GPSアンテナ

▼コン柱タイプ

イー・モバイルのコン柱タイプというのが実在する。
以下全景写真のとり方がまるでヘタクソで、たまたま見つけたのでちょっと撮りました感がすごいが
これでも一応未開の地に基地局の写真を撮りにいってきたつもり・・・


例のEM-1-SPD-2型の電源メーターがついているが、設備はすべて電柱にくっついているわけではなく
冷蔵庫の鉄塔に置かれるタイプが横にちょこんと置かれている。

全景(手前はただの電柱) アンテナ
設備部分 EM-1-SPD-2型を確認

▼蛇足:イー・モバイルがご利用いただけますステッカー

基地局とは全く関係ないが、飲食店の入り口ドアなどによく貼り付けられている「イーモバの電波が入るよステッカー」の写真。

イー・モバイルがご利用いただけます。

*1: つまりウィルコムPHSなのでその枠から仲間はずれと仮定して、といっても簡易型「携帯電話」なんですけどね