ケータイのアンテナ(基地局)を探そう ソフトバンクモバイル編

携帯電話の基地局を探そうシリーズということで、携帯電話のアンテナってだいたいどういうもの?という観点で基礎編を書きましたが、
もうちょっと掘り下げて携帯電話キャリア各社の基地局の特徴なんかを写真を交えて紹介しようとかいう企画。
そういうわけなので、基礎編見てないよって方はまずは基礎編からご覧ください

 ■注意事項

  • このページにある文章・画像を他で勝手に使うなとは言いません。どうぞご自由にお使いください。でも携帯電話会社の権利を侵害とかしてるのかも。
  • 得意げにここに書いてあることを皆に言いふらしていたら、実は間違った情報でひどい目に遭っちゃう可能性もあることにご注意ください。私も素人ですので。
  • 画像が多すぎて超重いですがご容赦ください。逆に画像クリック後「オリジナルサイズを表示」をクリックするとでかく表示されます。
  • ここに掲載されている情報などについて、携帯電話会社などに問い合わせすることはご遠慮ください
  • ここに掲載されている情報を元にアンテナを特定してぶっこわしてやろうとかはくれぐれもおやめください
  • 2012年現在で存在する携帯電話会社・サービスについて記載しています。今となってはもう古いかもしれませんよ。LTEとか。逆にツーカーセルラーの情報は載っていません。
  • 主に筆者が住んでいる愛知県内の傾向をもとに書いていますので、他のエリアではぜんぜん特徴が違うとかありえます。ご注意ください。歴史的経緯で元DDIセルラーデジタルツーカーのエリアで建設された基地局には一切当てはまらない可能性があります。
  • ほかに「このキャリアにはこんな特徴があって」などの話があればコメント欄に投稿していただけるとうれしいです!気付かなかったらゴメンナサイ。ただしお寄せいただいた画像も「勝手に使っていいよ」宣言を勝手にします。

大手3社の中では一番歴史が浅いが、激動の歴史あり

NTTやIDO、DDIセルラーに送れること数年、1991年から東京デジタルホンを皮切りに東名阪地域でデジタルホングループ(東京・東海・関西3社)を立ち上げて1994年にサービスイン。
1995年にようやくデジタルセルラー各社を立ちあげて全国エリア化した後、やっとのことでJ-PHONEという全国統一グループにしたと思ったのも束の間
イギリスの携帯電話会社Vodafoneボーダフォン)に買収され、ついにグローバルスタンダードな携帯電話グループの一員になったかと思いきや
新規参入でイチから事業を始めるはずだったソフトバンクが新規参入をやめたと言わんばかりに
Vodafoneからちょっと業績不振気味の日本での携帯電話事業を買収して
今のソフトバンクモバイルに至るという、合併やら買収を繰り返した伝説の携帯電話会社である。


そんな歴史的経緯から、今ではデジタルホン?なんのこっちゃ!と言われかねない名称すらも
基地局設備のプレートで「デジタルホン」が残っていたりという、昔の名残が垣間見える基地局を見て行きましょう。

▼特徴1:ステッカー

なんといってもノスタルジックを感じられるのはステッカーです。


今となってはボーダフォンショップなどというものは一つ残らず消滅し、ソフトバンクショップになっていますが
基地局設備の隅っこに貼り付けられたステッカーでは未だに「デジタルホン」や「J-Phone」「Vodafone」を
見ることができます。
当然のことながら「Softbank」もあります。


これがあれば現在のソフトバンクモバイル基地局であるということを一番識別しやすいです。


それぞれの時代にせっせと基地局を建てていたのだと、しみじみ思います。

デジタルホンのステッカー J-PHONEのステッカー
Vodafoneのステッカー Softbankのステッカー


ただ、これらのステッカーはビル・マンションの屋上に設置されたタイプの基地局
他の設備と間違わないように識別するために貼り付けられているようで
鉄塔タイプの基地局では、ステッカーはほぼお目にかかれません


今となってはわかりませんが、鉄塔タイプではデジタルホンデジタルツーカー時代から
auやドコモにあるような基地局フェンスの入口部分に掲げられていたプレートが取り付けられていて
それさえあれば事業者名を識別できていたらしく、個々の設備にまで事業者名表示をするためのステッカーは不要という認識だったのかもしれません。


ただ、VodafoneSoftbankの時代かわかりませんがこのプレートが相次いで撤去されており
現在では鉄塔タイプの基地局に関しては「携帯電話の鉄塔なんだろうけど、どこの会社のものかさっぱりわからない」状態になっているものが非常に多く見受けられます。
幸いにも、ソフトバンクモバイル以外の基地局ではすべて鉄塔タイプの基地局において
事業者名表示がされているので、事業者名表示のないものがあったら逆に消去法で現ソフトバンクモバイルのものである可能性は非常に高いとおもいます。(一部例外はあるかもしれないが・・・)


▼特徴2:プレート

鉄塔タイプで、基地局設備は基本的にフェンスに囲まれていますが
基本的には現ソフトバンクモバイル以外は入口部分に「NTTドコモ」だとか「KDDI」だとか「eM」だとか
どこの携帯電話事業者のものかわかるようにプレートがついていますが
Vodafone時代以降に建設されたもので基地局名プレートがついているものを見たことがありません


おそらく、何らかの事情でそういったプレートを付けない方針に変わったのでしょうが
逆にいままでデジタルホン時代・J-PHONE時代につけられていたプレートが取り外されるということがよくあります。
逆に、今でもデジタルホン時代・J-PHONE時代のプレートを見かけることができます。


ここではそのようなプレートの一例を挙げます。
見つけることができたら、ソフトバンクモバイル基地局であることがめでたく判明するだけでなく基地局名も確認できます。

CDP(東海デジタルホン)のもの J-PHONEのもの

▼特徴3:デジタルホン時代・J-PHONE時代の一部基地局に存在する物騒な表示

上記、デジタルホン時代の基地局プレートの画像を見てわかるように

デジタルホン時代の基地局設備には二酸化炭素消火設備が
備え付けられていたらしく

ここには
二酸化炭素消火設備を備えています。
二酸化炭素を放出する前に退避命令の放送を行います。
放送の指示に従い室外へ退避して下さい。

とかいう恐ろしげな文言が書かれたプレートがついている。

恐ろしげなプレートと赤色の表示機 CO2漏洩のランプ?

おそらくこれは、消防法かなんかで定められている表示だと思う。*1
作動時には、CO2漏洩のランプの点灯と共に、右上の赤いパネルのようなところには
二酸化炭素充満
 危険・立入禁止」
とかいう文字が赤色で浮かび上がり、点灯か点滅するはずである。
ついでに、放送を行うと書いてあるぐらいだから音声でもなんか教えてくれるんだろう。


ちなみに、上記赤色の表示灯は結構目立つので、仮にJ-PHONEのプレートを見つけることができなかったとして
上部のこの放出表示灯は見えることがある

キャリア名表示は確認できないが表示灯が見える例 J-PHONEの表示と共に表示灯が確認できる例


そういえばTu-ka基地局で発煙した例があるぐらいだし、電気を使うところに火はつきものということか。


参考:ツーカー基地局から発煙
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0803/18/news113.html

▼特徴4:電気メーター

auでもイー・モバイル編でも紹介しましたが、やっぱり電気メーターです。
ここにある特徴と合致しないものもあるので、合致しなかったからといって現ソフトバンクモバイルのものでないとは言えませんが
仮に合致したら、ほぼソフトバンクモバイル基地局と思ってよいでしょう。

東海デジタルホン時代〜J-PHONE時代に建設された基地局でよく見られるもの
I土-11型 受電盤 共土-11型 受電盤(ホワイトバージョン)
共土-11型 受電盤(グレーバージョン)

土(つち)って書いたけど、±(マイナスプラス記号)かもしれない

11型受電盤 ランプが付いてるのが特徴 *2
Vodafone時代〜ソフトバンク時代の基地局でよく見られるもの
L-1 L-2型
L-2W型(L-2型の大型版と思われる) 受電盤L-2W型(L-2W型と同じものと思われる)

▼特徴5:エアコンの室外機

au編でも書いたが、現ソフトバンクモバイル基地局でも、主に三菱製のMr.Slimシリーズや
ダイキン工業製のskyairシリーズがよく使われているような気がする。
ただ、Vodafone以降に建てられた基地局では、基地局設備の小型化が進んでそもそもエアコンが必要なかったり
コン柱局を熱心に建設する方向になって、これまたエアコンが必要ないというかつけられなかったり。

三菱のMr.Slim、あんまり見ないデザイン。 型番は不明
ダイキン工業のスーパーインバーター70 型番はRZYJ112C

▼特徴6:最近のコン柱局

コンクリートの電柱にアンテナと基地局設備一式を載せた局が、Vodafoneソフトバンクモバイルに移行した最近特に見られるようになった。
ソフトバンクモバイルになってから、というよりもそれよりもうちょい後の2010年頃からのような気がするが
一般的には次のような特徴がある局で、ウィルコムの電柱に乗っかってくるのも同タイプであることが多い。


設備に

パターンA パターンB

こういうのがついている局。両方ついて1セットの場合が多いような気もするが、なんだかよくわからない。

▼蛇足1:境界杭

J-PHONE基地局の近くにあった、境界杭についていたステッカー

境界杭

境界杭なんてあんまり意識したことがなかったんだけど、たまたま見つけた。
それからも意識してないので必ずあるものかどうかは不明。

▼蛇足2:配管についていたステッカー

いくつか配管があって、ステッカーのついてない他のもJ-PHONEのだろと思うけど一つだけに。

配管についてたステッカー

▼蛇足3:「ソフトバンク使えます」「ソフトバンクWi-Fiスポット」のステッカー

私の調査不足なだけだと思うが、飲食店などで入り口に「XXのケータイが利用できます」みたいなステッカーの
auバージョンやドコモバージョンはよく見かけるが、ソフトバンクJ-PHONEVodafoneバージョンはあんまり見ない。


この間大阪に行った時にひとつ見かけたのでうp。

※もしかしてWi-Fiスポットのことだったりして?実機で確認すればよかった。


ソフトバンクWi-Fiスポットのステッカーはよく見かける。

ソフトバンクWi-Fiスポットのステッカー

*1: ウェブを探してたらこんなのがあって、そこにいろいろ書いてあった:別記第9 消防用設備等に関する指導指針(PDF直リンク)

*2: 左のとは別の場所のものだが、なぜランプがついていないんだろう